コロナで異例の長期停泊 下船自粛し2カ月間船内生活 「日本丸」が出港
2020/06/03 12:51
約2カ月間、停泊した神戸港を出港する日本丸=3日午前、神戸市中央区港島1から(撮影・吉田敦史)
新型コロナウイルスの影響で約2カ月間、神戸港に停泊していた練習帆船「日本丸」が3日午前、出港した。感染防止のため、船員ら約50人は下船を自粛、異例の長期停泊になった。出港セレモニーはなかったが、熱心なファンが見守る中、静かに横浜港に向かった。
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日本丸は船員を育てる「海技教育機構」(横浜市)が所有し、総トン数2570トン。帆を広げた姿が美しく、写真に撮るファンも多い。これまでも神戸港に入る際には、船内見学会などが催されてきた。
本来、4月1日から3カ月間、国立小樽海上技術学校など4校の学生115人を乗せて国内で航海訓練を予定していたが、コロナの影響で中止。母港の東京港に泊まっていたが、東京五輪の準備で同港の岸壁を空けることが決まっており、停泊場所に余裕があった神戸港に4月11日から泊まっていた。
同機構神戸分室によると、2カ月の停泊は例のない長さ。基本的に船員は船内生活だが、休みの日は市街地に出掛け、食事や買い物をして息抜きをする。しかし、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で集団感染があったため、船長はじめ約50人の乗組員はできる限り、下船を控えた。
神戸市内に自宅がある船員もいたが、帰宅も自粛。人通りの少ない朝夕に船から下りて、周辺をジョギングしてストレスを発散していたという。「先が見通せないまま、船内で過ごす時間は船員にとって苦しかったはず」と同分室。
出港のこの日は、数十人のファンらが旗などを手に見送りに訪れた。体験航海に参加したことがある男性(72)=大阪府和泉市=は「日本の海運業を担う若者を乗せ、早く大海原を走れるようになってほしい」と話した。
横浜港に到着後は、同港内の造船所で定期整備を受ける。(堀内達成)