点滴の確認怠る 病院側に1290万円賠償命令 神戸地裁判決

2020/06/10 21:31

神戸地裁=神戸市中央区橘通2

 点滴液が血管外に漏れていたのに確認を怠ったとして、神戸市内の男性(52)が、神戸百年記念病院(同市兵庫区)を運営する医療法人社団「顕鐘会」に約6390万円の損害賠償を求めた訴訟で、神戸地裁は10日、刺した部分を定期的に観察する注意義務違反があったとして約1290万円の支払いを命じた。 関連ニュース 最期の言葉は「息できない」 無痛分娩医療事故 妊婦に診察室の個室ベッドで強制性交 婦人科医を逮捕 看護師が入院児童と性的会話

 判決によると2014年7月、同病院では点滴を刺した場所の観察を「最低2時間ごと」としていたが、当直看護師が怠り、最後の確認から約4時間後、男性のナースコールで漏出を確認。男性には左手の指に痛みやしびれが残った。
 被告側は「確認には眠る男性を起こす必要があった」と主張したが、判決は「睡眠中でも適切な頻度で確認する義務を負う」とした。

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