加西の巨大防空壕 特攻隊を伝える「シアター」に

2020/06/17 06:00

巨大防空壕で上映される映像。特攻隊員の遺書朗読などがある=16日午前、加西市鶉野町

 兵庫県加西市鶉野(うずらの)町の鶉野飛行場跡近くにある巨大防空壕(ごう)が、特攻隊をテーマにした映像を流す防空壕シアターとして活用される。同飛行場から飛び立った隊員の遺書を基にした作品が21日から無料で一般公開される。 関連ニュース 「やりたくないのが本心」戦闘機・紫電のパイロット、特攻隊を語る 「人の命が下っ端ほど軽く扱われる」特攻隊員と戦争の現実 「必ずお父さん、お母さんと叫んで突込みます」特攻隊員の最後の言葉

 防空壕は、高さと横幅が約5メートル、奥行き約15メートル。神戸大学の敷地にあり、市が借り受けて2017~18年度に電気配線などを補修した。これまでにガイドツアーなどを催してきたが、一般公開は初めて。
 同飛行場は1943(昭和18)年の建設。特攻隊として飛び立った全国各地の63人が亡くなった。
 上映するのは約20分の作品3本。姫路海軍航空隊の特別攻撃隊「白鷺隊」の隊員の遺書を紹介する。両親や家族への謝罪や感謝に加え、近く生まれるわが子の名前の案を告げた遺書もある。
 同市には、飛行場の滑走路跡に加え、巨大防空壕などが残り、戦争遺跡群を平和教育に活用するため整備を進めている。加西市の西村和平市長は「地域に残る戦争遺産を通して当時の人たちの思いを伝えるのは、今を生きるわれわれの使命」と話した。
 同市が制作した戦闘機「紫電改」の実物大模型の公開に合わせ、映像は毎月第1、第3日曜の午前10時半~午後2時半スタートで4回ずつ上映する。各回の定員は20人。無料だが、当面、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2日前までの予約が必要。同市鶉野未来課TEL0790・42・8757
(小日向務)

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