JR西、レール削正車増やします 保線作業員の負担軽減

2020/06/17 22:30

レール表面の凹凸を削り、耐用年数を延ばすレール削正車=姫路市四郷町山脇

 JR西日本は17日、レール表面を削り、新品に近い状態を保つ「レール削正車」を近畿地方の在来線などで増やすと発表した。総事業費は約54億円。今秋から2022年度までに、現在の3編成を5編成まで増やす。レールの寿命が約2倍に延び、交換に伴う作業量も約3割減が見込めるという。検討中の終電繰り上げと合わせ、高齢化や人手不足が懸念される保線作業員の働き方の改善につなげる。 関連ニュース 【写真】新型のレール削正車床下の砥石部分 【写真】新型のレール削正車床下の砥石 【写真】削る前のレール表面(右)と削った後の表面(左)

 JR西は約20~30年ごとにレールを交換している。交換には平均20~50人が必要で、終電後から始発までの限られた時間での作業となるため、一晩で数百メートル程度が限度だった。
 近畿地方で導入される車両は、床下に搭載した砥石が回転してレールを削る仕組み。レール表面にできる細かい凹凸を0・1ミリ単位で除去する。1時間あたり約300メートルの区間が施工できるという。
 乗り心地や騒音の改善のほか、レールが折れるリスクも減らせる。今秋以降、JR神戸線など列車本数が多い路線を中心に不定期で走らせる。
 JR西は17日、緩いバラスト(敷石)を締め固め、レールのひずみを補正する新たな保線機械の導入も発表した。長谷川一明社長は会見で「安全安心につながる持続可能なメンテナンスができるよう、取り組みを続けていく」と話した。(山本 晃、竹本拓也)

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