「富岳」4部門で世界一「ほっとした」 理研理事長らが会見
2020/06/23 12:28
スパコンの計算性能で「富岳」が世界4冠を達成し、会見する理化学研究所の松本紘理事長(右端)ら=23日午前、神戸市中央区港島南町7、理化学研究所計算科学研究センター(撮影・中西幸大))
理化学研究所(理研)は23日、神戸・ポートアイランドに整備中のスーパーコンピューター「富岳」が、計算速度ランキング「トップ500」などスパコンの計算性能を示す主要4部門で世界1位になったのを受け、神戸市中央区の計算科学研究センターで記者会見を開いた。理研の松本紘理事長は「富岳は名前の示す通り、高い性能と裾野の広い能力を目指した。ほっとしたと同時に大変うれしく思う」と話した。
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日本勢がトップ500で1位になるのは、先代の「京」以来9年ぶり。富岳の計算速度は毎秒41京5530兆回で、前回王者の米国のスパコンを大きく引き離した。ほかにも、ビッグデータや人工知能(AI)などにおける性能指標でも1位を獲得した。現在は新型コロナウイルス対策などのため一部を試験運用しており、2021年度の本格運用を目指している。
会見で同センターの松岡聡センター長は、世界4冠を達成したことについて「まだ100%の性能を出せていないのに、圧倒的な差をつけて1位になった」と説明。ただ「世界1位を目指したものではない」とし、さまざまな社会課題を解決するという開発目標を強調した。(霍見真一郎)