「カラオケで練習できる」尺八、箏、三絃 邦楽家夫婦がCD制作
2020/06/24 14:47
自宅1階で三絃を演奏する新福かなさん=姫路市(撮影・辰巳直之)
兵庫県姫路市の尺八奏者の松崎晟山(せいざん)さん(45)、箏(こと)・三絃(さんげん)奏者の新福かなさんの邦楽家夫婦が、自宅をスタジオに活用して、合奏の練習用CDを制作している。各部屋に陣取った尺八、箏、三絃の3人がイヤホンで他奏者の演奏を聴きながら合奏する。デジタルミキサーの機能を駆使して録音したCDは3楽器の合奏と2楽器分を収録し、聴き手は「カラオケ」として自分の演奏と合わせられる。コロナ時代の教材として注目されそうだ。(加藤正文)
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松崎さんと新福さんはともに東京芸術大学大学院修了。2001年から同窓生らと和楽器オーケストラあいおいを結成し、古典からアニメソングまで多彩な曲目を各地で披露してきた。
姫路や東京、千葉などで教室を主宰し指導してきたが、コロナ禍でレッスンやコンサート、海外公演などが中止に。活動しにくい状況から、CDづくりを思い立った。
自宅の1、2階の部屋に分かれて3人が同時に演奏。2階の松崎さんがデジタルミキサーを見て監修する。顔は見えないが、あうんの呼吸で息遣いを感じながら合わせていく。取材の際はデモンストレーションとして、松崎さんと新福さんが地唄「新娘道成寺」で息の合った演奏を披露した。
CDは題して「レッツひとりで三曲合奏」。邦楽で「三曲」とは箏、三絃、尺八の三つの楽器による演奏を指す。各音源はミュート(消音)が簡単にでき、CDは(1)全体合奏(2)尺八・箏(3)箏・三絃(4)三絃・尺八-の4トラックを収録している。初回配布は「六段の調」「楫(かじ)枕」、2回目は「夕顔」「五段砧(ぎぬた)」で全50曲を目指す。
松崎さん夫婦は「邦楽でカラオケとして練習できるCDはいままでなかったはず。コロナで自宅練習が増える中だからこそ活用してもらえたら」と話す。
毎月2曲配布。1カ月コース=2曲、月4千円。6カ月コース=12曲、月3500円、12カ月コース=24曲、月3千円
箏・三絃・尺八教室「和on」TEL079・227・4585(ファクス兼)info@wa‐on.biz