未来へ歴史見つめる1360事業 県政150周年記録誌発行
2020/07/14 09:46
県政150周年事業をまとめた記録誌=兵庫県庁
兵庫県は2018年1月から15カ月間にわたって実施した「県政150周年記念事業」の記録誌を発行した。「五国の魅力を磨く」「交流の輪を広げる」などの目標の下、計1360件に及ぶ県民連携事業を展開。多岐にわたった記念事業を振り返った。(前川茂之)
 150周年事業は17年7月に推進協議会が発足し、18年1月からスタート。「県民一人ひとりが歴史を振り返り、地域の新たな課題を共有し、未来を考える機会とする」を基本方針に、大小さまざまな事業が展開された。
 1団体当たり5万~50万円の助成などを行う県民連携事業は1360件に及び、助成総額は4億8千万円に達した。内容は新規事業が3割、既存事業の「継続・拡充」が7割で、関連性が乏しいものも少なくなかったが、記録誌では「150周年にふさわしい工夫が行われて、県や地域の歴史・文化を振り返る機会となった」と評価した。
 大型事業では、初代県庁が置かれていた兵庫津(神戸市兵庫区中之島2)に、「県立兵庫津ミュージアム(仮称)」の整備が決定。21年度までに初代県庁を復元し、史料などを展示する「ひょうごはじまり館(仮称)」(22年度開館予定)も併設する。
 兵庫の目指す姿や基本方針を示す「2030年の展望」の策定、「兵庫百年史」に続く新たな県史編さんにも着手した。
 記念誌にはこうした事業を網羅して掲載。編集後記では「節目の年に地域の歴史や地域資源を見つめ直し、これからのあり方を考える機会を持つのはとても有意義な時間だった」と総括した。
 記録動画を収録したDVDも添付している。2千部作成。A4判で全137ページ。県のホームページで掲載しているほか、希望者には県地域創生局(TEL078・362・4217)で配布している。