「そごう西神」跡に商業施設 双日に優先交渉権 神戸市

2020/08/18 07:00

8月末に閉店する「そごう西神店」=神戸市西区糀台5(撮影・中西幸大)

 8月末で閉鎖される「そごう西神店」(神戸市西区)の後継施設の運営事業者について、建物を所有する神戸市が、全国で商業施設を展開する大手商社の双日(東京)を優先交渉権者に選んだことが17日、明らかになった。1階には従来と似た形態の贈答品も扱う食品売り場を設け、幅広い世代を対象にした複合商業施設として駅前の活性化を図る。1階は先行して今秋のオープンを検討する。 関連ニュース 今夏閉店神戸のデパート 激震翌日に長蛇の列「ある物だけでも売ろう」 10月、そごうが神戸阪急に エレベーターのロゴはどうなる? 変わりゆく神戸・三宮、消えゆく「SOGO」

 双日グループは、千葉県柏市の「モラージュ柏」や埼玉県熊谷市の「ニットーモール」、滋賀県守山市の「ピエリ守山」などの複合商業施設の運営を、全国各地で手がけている。
 そごうの閉店決定を受け、市は今年4月から優先交渉権者を公募。関係者によると、複数社が応募の意向を示し、現地見学などを経て、非公開の審査会で同社が選ばれたという。
 そごう西神店は、市営地下鉄西神中央駅に直結する立地などから、特に1階の食品フロアは仕事帰りの客らでにぎわっていた。このため市は公募条件として、1階を高品質の食品や進物を扱う百貨店相当の食品売り場にすることを求めており、双日がこれに応えた。
 市から同社が借り受ける店舗ゾーンは、駅ビル1~5階の計約2万6500平方メートル。今後、商業施設名や具体的な店舗構成などを検討する。
 そごう西神店は、神戸市が開発を手がける西神ニュータウンの中核施設として、1990年10月に開業。2000年にそごう(現そごう・西武)が経営破綻しても店舗は存続した。近年は低価格帯の専門店やインターネット通販の台頭により売り上げが低迷。そごう・西武(東京)を傘下に持つセブン&アイ・ホールディングスが昨年10月、8月末での閉鎖を発表した。(石沢菜々子、三島大一郎)

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