夏のレジャー、感染対策のこつ 5センチの窓開け、「対角線」の換気
2020/08/18 10:38
夏のレジャーで利用する自家用車。対角線に窓を開けるのが感染対策のこつ=15日、淡路市岩屋、淡路サービスエリア
新型コロナ禍の中、お盆も過ぎ、兵庫県内の大半の小中学校で短い夏休みが終わった。とはいえ、まだまだ友人や家族とレジャースポットへ出掛けたくなる夏。「人混みを避けて自然の中へ」という人も多いようだが、その道中にもコロナの感染リスクは潜んでいる。安全に夏を楽しむための注意点を神戸市看護大学(同市西区)の岩本里織教授(公衆衛生看護学)に聞いた。
関連ニュース
閉鎖のビーチに海水浴客絶えず…日曜には250人 警察が注意呼び掛け
神戸中心地から20分、夜景も楽しめるグランピング施設オープン
コンセプトは「何もしない旅」 淡路島の西海岸に大自然満喫のホテル開業
岩本教授は保健師で、兵庫県と神戸市の新型コロナの電話相談窓口で相談員を務めた経験を持つ。
「重要なのは『3密』を避け、他人と物を共有しないこと。食事の時以外は基本的にマスクの着用を」と基本の徹底を呼び掛ける。
不特定多数の人との接触を避けて行楽地へ向かう場合、選びがちなのが自家用車での移動だ。だが、家族以外が同乗することも多く「クーラーの冷気を逃さないため、閉めきった車内こそリスクが高い」と岩本教授は指摘する。
「5センチほど窓を開ければ、冷気を逃さずに車内の換気ができる」。ポイントは「対角線」。右ハンドルの場合は運転席と左の後部座席、もしくは助手席と右後部座席の窓を少し開けると、効率的に車内全体の空気が循環するという。途中で運転手を交代する場合は、面倒でもハンドルやシフトレバーの消毒が望ましい。
山や川でバーベキューをする場合も注意が必要という。岩本教授は「大事なのは食べ物を焼く網の近くで話さないこと。調理する係を決め、トングやお箸を共有しないようにしてください」と説明。調理済みの食材は大皿に集めておかず、各自の取り皿に載せて食べるとよいという。
見過ごされがちなのが、食後の空き缶や空き袋など、ごみの後片付けの際のリスクだ。「ごみ集めの時にはマスクをし、終わった後は手洗いを。ごみ袋は固く口を縛ってから捨てましょう」。
日中のスポーツ観戦などでは、暑さでマスクを長時間着けていられないこともある。「熱中症になる可能性もあるので、無理はしないで。やむを得ず外す場合は隣の人と2メートル以上の距離を確保し、大声での応援は慎んでください」。
楽しいはずのレジャーでクラスター(感染者集団)が発生する事態は避けたいが、リスクを完全になくすことはできない。「帰宅後は検温などで体調の変化に注意を払い、異常があればすぐ保健所に相談を」と岩本教授は話す。(伊田雄馬)
【記事特集リンク】新型コロナウイルス