JR西が浸水対策 大雨の際、事前に車両避難 ダイヤへの影響より大きく
2020/08/27 06:15
県内最大の車両基地「JR網干総合車両所」=兵庫県太子町福地
 昨年の台風19号で長野市の新幹線車両基地が浸水したことを受け、JR西日本は26日、台風など大雨の際に車両を事前避難させるなどの浸水対策を発表した。車両避難を伴う計画運休は、従来よりもダイヤへの影響が大きくなるという。
          
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 同日の定例会見で長谷川一明社長は「車両を避難させれば運転再開にも時間を要する。利用者には不便を掛けることになるが、安全安心のためご理解をいただきたい」と強調した。
 台風19号ではJR東日本の長野新幹線車両センターが浸水被害を受け、10編成120両が水没。JR西が保有する2編成24両も廃車となった。北陸新幹線の東京-金沢の直通運転は約2週間途絶えた。
 浸水対策は、水防法に基づく数十年~200年に1度クラスの「計画規模降雨」で浸水リスクがある施設を対象にした。総合車両所や指令所など電気施設の約200カ所でソフト・ハード対策を講じる。
 新幹線の車両留置施設では岡山と広島の各支所、在来線の総合車両所では網干(兵庫県太子町)と吹田が含まれる。
 車両避難を伴う計画運休を実施すると、夜間に浸水の恐れがある施設から浸水しないエリアの車両留置施設や駅に列車を移動させる時間が必要となる。このため、台風接近前日の運転終了時刻が数時間早まり、台風通過後の運転再開も数時間遅れる。
 JR西は「始発駅の変更や本数を減らしての運転再開など、ダイヤの乱れが想定される」としている。
 車両避難には、気象会社と連携して導入したシステムを活用し、判断を支援する。(竹本拓也、三島大一郎)