英ブッカー国際賞 小川洋子さんの小説、受賞逃す
2020/08/27 13:05
作家の小川洋子さん(2019年撮影)
 世界的に権威がある英国の文学賞「ブッカー賞」の翻訳書部門に位置付けられる「ブッカー国際賞」が26日(日本時間27日未明)、発表された。兵庫県西宮市在住の芥川賞作家、小川洋子さん(58)の小説「密やかな結晶」が最終候補6作品に入っていたが、受賞を逃した。受賞作品はオランダの作家の小説だった。
          
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 小川さんの作品は、日本文学研究者のスティーブン・スナイダーさんが英訳し、英題は「THE MEMORY POLICE」。秘密警察が支配し、さまざまなものが一つ一つ消滅して記憶から失われていく島を舞台に、小説を書く女性を主人公にした寓話的長編。日本では1994年に刊行された。
 英国かアイルランドで出版された作品のうち、英語で書かれたものに贈られるブッカー賞に対し、ブッカー国際賞は英語に翻訳された作品が対象。作家や翻訳家、研究者ら5人の審査委員が最終候補を選考した。
 小川さんは62年、岡山市生まれ。著書に芥川賞受賞作「妊娠カレンダー」、ベストセラー「博士の愛した数式」、兵庫県芦屋市が舞台の「ミーナの行進」などがある。「密やかな結晶」の翻訳版は昨年の全米図書賞翻訳文学部門候補にもなった。