役目終えたパンダやイヌ 六甲山頂で再び「光」を
2020/09/03 15:00
哀愁漂う動物型遊具。竹内みかさんが空間芸術を制作する=神戸市灘区六甲山町
毛並みの汚れたパンダや、目が取れてしまったイヌ。かつて遊園地などで子どもたちを楽しませ、役目を終えた動物型遊具約20体が、神戸市灘区の六甲有馬ロープウェー・六甲山頂駅に集まっている。宙につるすなどして遊具の楽園を創りあげ、インスタレーション(空間芸術)として、12日に六甲山上で開幕する芸術イベント「六甲ミーツ・アート」で展示する。
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持ち込んだのは神戸市兵庫区のアーティスト竹内みかさん。2012年、神戸ハーバーランドにあった遊園地「モザイクガーデン」で動物型遊具に出合った。使い込まれた毛並みや表情から漂う哀愁にいとおしさを感じ、絵を描き始めた。以来、国内外の遊園地や動物園、水族館など約60カ所を取材し、さまざまな遊具を絵に。昨年からは実物を使った制作も手掛ける。
今回の遊具は、県立赤穂海浜公園(兵庫県赤穂市)などの5施設から譲り受けた。暗い倉庫で廃棄を待つ光景を思い出し、「そこから抜けだし、楽園へと飛び立っていってほしい」との願いを込める。
同イベント事務局TEL078・891・0048
(吉田敦史)