神戸ゆかりの美術館で「無言館」展 戦没画学生の130作品
2020/09/11 19:20
戦没画学生による日本画などが並ぶ会場=神戸ゆかりの美術館
 第2次世界大戦の戦没画学生らの作品を集めた特別展「無言館 遺された絵画からのメッセージ」(神戸新聞社など主催)が12日、神戸ゆかりの美術館(神戸市東灘区)で開幕する。長野県上田市の美術館「無言館」のコレクションから絵画、彫刻約130点が並ぶ。
          
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 無言館は館主の窪島誠一郎さん(78)と画家野見山暁治さん(99)が出会い、1997年に開館。自らも出征した野見山さんが、窪島さんと共に各地の画学生の遺族を訪ね、絵や遺品を集めた。
 本展は「望郷」「恋」「夢」など5章から成り、故郷の風景、家族や恋人を描いた絵が多く並ぶ。神戸出身で23歳でビルマ(現ミャンマー)で戦病死した桑田一彦の「自画像」はにらみつけるような瞳が印象的だ。
 戦地からの絵入りのはがきなど遺品や資料類も出展。神戸ゆかりの美術館の金井紀子学芸員は「大半が20代で亡くなり、夢を絶たれた。若い世代にぜひ見てほしい」と話している。
 11月29日まで。月曜(祝日を除く)と9月23日、11月24日休館。千円ほか。同館TEL078・858・1520
(堀井正純)