天空の城、生野銀山、コロナ禍でもにぎわい 「比較的安全な観光地」として人気
2020/09/15 18:08
坑道から吹き出した冷気で霧が発生した生野銀山の観光坑道入り口=朝来市生野町小野
新型コロナウイルス感染拡大で観光業界が厳しい状況にある中、兵庫県朝来市の主要な観光地が8月、多くの来訪者でにぎわいを見せた。史跡・生野銀山(同市生野町小野)では昨年同月よりも入場者が増加し、国史跡・竹田城跡(同市和田山町竹田)も中旬までは登城者が昨年を上回るペースだった。いずれも「遠すぎず、比較的安全な観光地」として人気を得たようだ。(竜門和諒)
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生野銀山は8月の入場者数が2万367人で、前年同月比で約500人増えた。山の中を縦横に延びる坑道内の気温は年間を通して約13度。外気との温度差によって自然に空気が流れ、“天然の換気設備”となっている。夏に雨が降るなどして外気の湿度が上がると、坑道の入り口には流れ出た冷気によって霧が出現し、幻想的な光景に包まれる。
感染防止策としては、入場券売り場にマイクを設置。お土産館内にある天然石のすくい取り体験は密集防止の観点から中止している。運営する第三セクター「シルバー生野」の妹尾高明社長は「遠方への旅行を控える傾向となり、近場のお出掛け先として阪神間の人が多く訪れたのでは」と話す。
竹田城跡には8月、1万1282人が登城。前年同月比で約2割減少したものの、市観光交流課の担当者は「7月下旬の4連休から8月中旬までは昨年を上回るペースだった」という。学校の夏休みが短縮されたこともあって、後半は伸び悩んだとみられる。
麓の施設「山城の郷」(同市和田山町殿)から中腹駐車場までのバス移動(徒歩でも可)を除き、城跡観光はすべて屋外。同課は「生野銀山とともに、感染リスクが低い観光地として多くの人に選ばれたのでは」と推測している。