障害者支援施設の入所者に虐待繰り返す 男性職員を懲戒解雇 西宮

2020/09/24 21:33

 兵庫県西宮市武庫川町の障害者支援施設「西宮すなご医療福祉センター」で、30代の男性職員が6月以降、入所者の男女計10人に対して顔を床に打ち付けたり、腹の上に乗ったりする虐待を繰り返していたことが関係者への取材で分かった。男性職員は「ストレスでいらいらしてやった」と行為を認め、施設は8月24日付で懲戒解雇処分とした。 関連ニュース 患者を裸にして放水、キス強要や監禁も 看護師ら6人逮捕「リアクション面白かった」 頬に包丁当て「おしゃべりできませんか」 祖母が5歳孫を虐待 全裸にした患者に水や湯掛けて笑いものに 元看護師に有罪判決

 市法人指導課や施設によると7月11日、50代の男性入所者の右目周辺にできたあざについて、男性職員が「自分で寝返ってぶつけた」と報告した。施設が室内のカメラを確認すると、11日早朝に男性職員が寝ている入所者を乱暴にうつぶせにして顔を床に打ち付ける様子が写っていた。
 カメラに残った約1カ月間の映像を調べると、他にも20~50代の入所者9人に対し、口を押さえ、手足や背中をたたいたり、蹴ったりするなどの虐待を繰り返していたことが分かった。
 市は7月20日に施設から通報を受け、8月に立ち入り調査を実施。甲子園署にも相談しており、同署は暴行、傷害容疑を視野に調べる。
 施設は社会福祉法人「甲山福祉センター」(西宮市)が運営し、重度の身体や知的の障害がある178人が入所する。小谷地健事務長は「大変申し訳ない。原因究明と改善策を打ち出し、二度とないように取り組んでいく」とし、第三者委員会を設置するとしている。(風斗雅博、名倉あかり)

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