一水会元代表のドキュメンタリー 神戸で10日から公開

2020/10/09 11:00

「愛国者に気をつけろ!鈴木邦男」の一場面

 民族主義団体「一水会」の元代表に密着したドキュメンタリー映画「愛国者に気をつけろ!鈴木邦男」が10日から神戸市中央区元町通4、元町映画館で公開される。前作では福島原発から12キロの町に1人暮らす男性を追った中村真夕監督が今回、「政治的激動の1960~70年代を生きた人。元気なうちに記録に」との思いで製作した。 関連ニュース 神戸中心部のバス1日乗り放題券、市民は半額に アプリで登録すれば11月末まで最大5回 神戸市と芦屋市のごみ処理広域化、来年にも協議書締結で調整 30年度以降受け入れ開始 三田市、市民病院看護師らの給与保障へ 指定管理制導入で固定給最大2割減 公務員と同等の待遇検討

 前作のトークショーに鈴木さんを迎えたのがきっかけ。右翼でも左翼でも、反社会的とされる宗教者とも交流する鈴木さん。その素顔にインタビューや関係者の証言で迫る。
 若い頃、浅沼稲次郎社会党委員長を刺殺した山口二矢と、自衛隊の決起を求めて三島由紀夫とともに割腹自殺した早稲田大の後輩、森田必勝に影響を受けた。「一水会」を結成、他の親米反共団体と異なり、対米自立を掲げて活動した。
 映画の中の鈴木さんは右にも左にも慕われる「好々爺」。家賃6万円のアパートで1人質素に暮らす。いつも本を読んでいる鈴木さんに中村監督がなぜと聞くと「自分はバカだから勉強しないと」との答え。常に自分の考えに疑問を持ちながら行動している。
 「『右から左になった』と非難する人がいるが、鈴木さんはどんな価値観の人とも対話する。これこそが民主主義と感じた」と中村監督。鈴木さんは「国民がそれぞれ政治思想を持つのは自由だけど、国がイデオロギーを国民に押し付けるのは違うと思う」とも言う。「現代社会にまん延する不寛容とは真逆の存在だから面白い」
 16日まで。元町映画館TEL078・366・2636
(片岡達美)

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