“日本初”トンネルで半年熟成 純米酒を初蔵出し
2020/11/16 21:07
初蔵出しした兵庫湊川隧道貯蔵酒「隧 ZUI」をアピールする関係者=神戸市兵庫区湊川町9
日本で初めての近代河川トンネルとされる湊川隧道(神戸市兵庫区)で約半年間貯蔵された純米酒「兵庫湊川隧道貯蔵酒『隧 ZUI』」が12月1日から販売される。地元企業や兵庫県、地元団体が5年計画で続ける予定。発売を半月後に控えた16日、「初蔵出し」が行われ、関係者が祝った。
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1901(明治34)年に完成した湊川隧道内の温度は12~22度で、冬場は暖かく夏場は涼しい自然の貯蔵庫。2017年、神戸港開港150年に合わせ、隧道内で貯蔵した日本酒を販売すると即日完売するほどの人気だったため、さらに活用しようと、灘五郷の酒造会社「神戸酒心館」(神戸市東灘区)など地元企業、兵庫県、湊川隧道保存友の会が協定を結んで取り組む。
隧道でゆっくり寝かせることで舌触りがやわらかく、うま味が乗るという。半年間貯蔵する酒のほか、純米酒と純米吟醸酒の一升瓶計234本を5年間熟成させる計画もある。16日は半年間貯蔵した酒をトラックに積み込み、外に出した。神戸酒心館の安福幸雄会長は「酒のおいしさと隧道のすばらしさを知って」などとアピールした。
720ミリリットル2200円(税込み)で、3千本限定。22日の湊川隧道通り抜けで特別予約を受け付け、12月1日から神戸酒心館や神戸市内の酒販店などで販売する予定。(高田康夫)