ジョン・レノンらにも影響 電子音楽の先駆者、シュトックハウゼンの「マントラ」関西初披露

2020/12/27 18:00

ピアニストの大井浩明さん(提供)

 大阪万博のあった1970年開館の芦屋市民センター「ルナ・ホール」(兵庫県芦屋市)で来年1月9日午後3時から、「1970年の音を聴く」と題した演奏会が開かれる。ドイツの現代音楽作曲家シュトックハウゼンが、大阪万博での演奏をきっかけに作曲した「2台のピアノと電子音響のための『マントラ』」を関西で初披露する。(網 麻子) 関連ニュース 森山未来さん 思い出の地元映画館を動画でPR【動画】 “ポプコン”入賞…幻の歌手の名盤が再び脚光 カバー曲が映画主題歌に 竈門さん、産屋敷さん、栗花落さん…鬼滅の刃で脚光 実在の難読名字さん心境は?

 同ホール開館50周年記念コンサート。シュトックハウゼンは電子音楽のパイオニアと呼ばれ、ジョン・レノンらロック界にも影響を与えた。マントラは代表作の一つで約70分の名曲。2人のピアニストによる超絶技巧のピアノと打楽器演奏に、電子音が絡む。操作が難しい電子音響との共演も見どころ。
 今回は舞台のスピーカー6台のうち4台を3・5メートルの高さに設置。高い位置から降ってくる音が、他の音と交わって全体的な音の響きを作り出す。ピアニストはシュトックハウゼンの全ピアノ曲演奏で知られる大井浩明さんと、クラシックや現代音楽で活躍する浦壁信二さん、電子音響はコンピューターを用いた音響表現などで有名な有馬純寿・帝塚山学院大情報メディア学科准教授。
 大井さんは「マントラは楽しい曲でポップな部分がある。シュトックハウゼンが日本で着想し、日本を思いながら作った曲で、日本人の方が独自性を出せる」。
 有馬さんは音響を変えるリングモジュレーターを使い、ピアノの音を、鐘を思わせるような音色に作り変える。「21世紀の技術でマントラを披露し、音楽の違った楽しさを伝えたい」と抱負。同市民センター音楽プロデューサーの佐谷記世さんは「1970年前後は実験性に満ちた音楽や建築がつくられた。ルナ・ホールもその一つ。現代音楽を通しその時代を感じてもらえたら」と話す。
 他にモーツァルトの「2台のピアノのためのソナタ」なども奏でる。演奏会前の午後1時から2時まで、シュトックハウゼンに関する無料講演会もある。講師は電子音楽研究で知られる川崎弘二さん。
 コンサートは一般3千円(当日3500円)、小中学生1500円(当日同じ)、高・大・大学院生2千円(当日同じ)。芦屋市ホームページの市民センター主催事業から予約ができ、ローソンチケットでも購入可(Lコード56705)。同ホールTEL0797・35・0700(27日~来年1月5日休館)

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