明石砂浜陥没事故19年「寂しい思い変わらない」

2020/12/30 19:38

砂浜陥没事故の現場を訪れ、献花する明石市の泉房穂市長ら=30日午前、明石市大蔵海岸通1、大蔵海岸

 2001年12月に兵庫県明石市の大蔵海岸で起きた砂浜陥没事故は30日、発生から19年を迎えた。同市の泉房穂市長と市幹部6人が事故現場を訪れ、献花して手を合わせた。 関連ニュース 神戸新聞NEXT|宙返りで飛び込み失敗か 海岸でアルバイト男性重傷 明石砂浜陥没事故の経過 遺体安置所で冷たくなった娘を抱いて寝た たった一度も希望を持てなかった25年間

 東京から帰省していた金月美帆ちゃん=当時(4)=が父親の一彦さん(53)と散歩中、同海岸の人工砂浜が2メートル陥没。美帆ちゃんは砂に埋まり、翌02年の5月26日に亡くなった。
 泉市長はこの日、事故現場で約30秒間頭を下げて哀悼の意を示し、「市民の安全に対する行政の責任に終わりはない。事故の教訓を継承していく」と話した。
 関東地方に住む美帆ちゃんの母の路子さん(51)は「新型コロナウイルスの影響で家族と一緒にいる時間が増え、『美帆がいたら、弟や妹の面倒を見てくれたのでは』と思ったり。寂しい思いは変わっていない」と心境を語った。
 海岸の管理責任を負う市に対しては「事故を忘れず、市長や上の人がしっかり命の重さや安全への思いを発信し、二度とあのような事故を起こさないように誓ってほしい」と話した。(長沢伸一)

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