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再生素材などサスティナブルをテーマにした新作コーナーが設けられた播州織の展示会場=東京都千代田区、東京国際フォーラム
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再生素材などサスティナブルをテーマにした新作コーナーが設けられた播州織の展示会場=東京都千代田区、東京国際フォーラム
環境に配慮して作られた藍染めの革製品=東京都千代田区、東京国際フォーラム
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環境に配慮して作られた藍染めの革製品=東京都千代田区、東京国際フォーラム
他社ブランドの余剰在庫と一緒に販売するワールドのオフプライスストア「アンドブリッジ」=さいたま市(ワールド提供)
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他社ブランドの余剰在庫と一緒に販売するワールドのオフプライスストア「アンドブリッジ」=さいたま市(ワールド提供)

 最近よく耳にする「サスティナブル」。「持続可能な」と訳され、2015年、国連が採択した持続可能な開発目標(SDGs)の頭文字に使われている。環境を壊さず、資源を使い果たさず、将来にわたって維持、発展する社会。さまざまな分野や企業で取り組みが行われる中、ファッション関係の業界でも意識が高まっている。兵庫県内の企業や産地ではリサイクル素材の利用や工場の環境改善が進められている。(今福寛子)

 昨年11月に東京国際フォーラムで開かれた日本最大の繊維見本市「JFW JAPAN CREATION2021」。初出展した先染め織物「播州織」のブースには、農薬や化学肥料を使わずに栽培されたオーガニックコットンや、プラスチック廃棄物から作られた素材など、サスティナブルをテーマにした生地が多く並んだ。

 内外織物(西脇市)は、埋め立て地に捨てられたプラスチックや漁網を使ったナイロン糸のほか、ペットボトルや繊維くずを原料としたポリエステル糸などで生地を生産。見本市に合わせ、リサイクル糸とコットンなどを組み合わせてドレスやコート用の生地を開発した。同社の担当者は「サスティナブルやエコをうたう生地の問い合わせは増加している」と話す。

 播州織の取り組みは、早くから始まった。工場の汚水対策は1970年代に着手し、ほかにも繊維廃棄物のバイオエタノール化など環境を意識してきた。

 2003年には生産過程で余ってしまう糸を活用しようと、西脇市の兵庫県繊維工業技術支援センターと繊維機械商社が色や材質、太さの違う残糸を1本の糸につなぐ機械「アレンジワインダー」を開発。19年からは残糸にICタグを付けて管理し、小口販売するシステムも構築した。開発に携わった古谷稔さん(65)=加東市=は「もったいないという意識から始まったものが今につながっている」と胸を張る。

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 全国有数の皮革産地である姫路市、たつの市でも取り組みが始まっている。

 「JFW-」に出展した姫路市花田町高木地区の4社でつくる「姫路プレミアムレザー」は、植物由来のタンニンでなめした革や、害獣駆除で使われた薬きょうを金具に再利用した製品などを展示。各社とも工場の使用水量やプラスチック、有機溶剤の削減を進めており、ヒライコーポレーションの平井誠司代表(62)は「サスティナブルに取り組む企業の輪をどんどん広げていきたい」と話す。

 サスティナブルな素材は日本以上に海外市場で強く求められており、繁栄皮革工業所(たつの市)は、製革工場の環境対策や安全性を監査する国際団体「レザー・ワーキング・グループ」(LWG、英国)の認証を国内で初めて取得した。

 LWGはルイ・ヴィトンなど世界の高級ブランドが加盟し、ブランド側は認証を取得している製革業者から革の供給を受ける。同社は2年がかりで認証を取得。有害物質を規制する欧州基準に薬剤を切り替え、汚水対策や工場の安全対策も行った。中嶋正樹副社長(49)は「日本はまだまだ意識が遅れている。本気で取り組まなければ生き残れない」と危機感を口にする。

■他社の余剰在庫を低価格販売 ワールド新業態

 国連貿易開発会議(UNCTAD)によると、ファッション業界は毎年、500万人分の水需要に相当する930億立方メートルの水を使用し、製造過程などで発生する約50万トンのマイクロファイバーを海洋投棄しているという。

 経済産業省の調査では、国内のアパレル市場規模はバブル期の15兆円から10兆円程度に減少する一方、供給量は20億点から40億点程度へと倍増。余った衣服の大量廃棄も課題とされる。

 大手のワールド(神戸市中央区)は「オフプライスストア」という新業態で余剰在庫問題の解決に乗り出した。各ブランドが単独で展開するアウトレットとは違い、他社ブランドの在庫も一緒に低価格で販売する。2019年9月にさいたま市に「アンドブリッジ」1号店がオープン。東京・浅草や京都市の期間限定店舗と合わせて4店舗を展開している。

 店内にはさまざまなメーカーの衣料品や雑貨が一緒に並べられ、他社ブランドのタグもついたまま販売。評判は上々で、出店の引き合いも多く寄せられているという。広報担当者は「他社商品と並べて売るのはタブーだったが、業界を超えて課題を解決したいという思いがある」と話す。(今福寛子)

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