淡路島に引っ越した…「日常」変わった 本社機能移転のパソナ社員
2021/01/01 06:30
2階のオフィスから外へ。海沿いで働くパソナグループの社員ら=淡路市野島平林(撮影・中西幸大)
海沿いのテラス席に、笑顔がはじけた。
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「東京→兵庫・淡路島」で生活は?心境は? パソナ「移転」発表3カ月、移住社員に聞く
兵庫県淡路市北部の西海岸。真っ青な海面に日差しがキラキラと反射する。
ここは、総合人材サービス・パソナグループのオフィスが入る場所。ノートパソコンを広げ、リラックスした表情で社員が仕事に向き合っていた。巨大都市東京のオフィスとは百八十度異なる環境だ。
同グループは昨年9月、東京から淡路島へ、主な本社機能の移転を発表した。2024年5月末までに、管理部門の社員約1200人が島内に移る。
首都圏の過密、地方の過疎。是正の必要性が叫ばれて久しいが、一極集中にはいっこうに歯止めがかからない。ところが新型コロナウイルスの感染拡大で、これまでの働き方が見直される中、パソナの挑戦は脱・一極集中の試みとして全国から注目を集めている。
「通勤のストレスがゼロになった」。実際に東京から島へ転勤してきた男性社員が話す。海と山に囲まれ、ゆったりとした時間の流れを感じるという。
島内では08年から農業や観光に力を入れており、その動きがさらに加速する。住居の確保や地域との融和など課題はある。だが、人口減少にあえぐ淡路島に、移転計画は大きな期待を抱かせる。
コロナ禍をきっかけに、地方へ注がれる視線が変わった。新しい日常は、島への追い風にもなる。(上田勇紀)