熊本弁で披露する珍しい狂言 2月5日に大阪松竹座
2021/01/14 17:00
狂言の会に出演する(左から)茂山千之丞、宗彦、千五郎=大阪市中央区、大阪松竹座
狂言大蔵流・茂山千五郎家による「狂言の会」が2月5日、大阪市中央区の大阪松竹座で開かれる。演目の一つは戦後の狂言ブームの代表作「彦市ばなし」。原作の故郷の熊本弁で披露する珍しい狂言だ。一門の宗彦は九州出身の妻から方言指導を受けて臨む。「習った通り、丁寧に演じたい」と抱負を口にする。
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江戸時代から続く京都の名家。身近に親しまれる狂言を目指し、地域で積極的に公演してきた。宗彦はNHK連続テレビ小説「おちょやん」に出演している。
大阪松竹座では2002年、08年に続き3回目。彦市ばなしは木下順二原作で、熊本の昔話がもとの民話劇。先代の千之丞らが熊本言葉の狂言に仕立て、1955年に初演した。今回は3演目の最後を飾る。能舞台の「松羽目」と違う背景を使い、普段と雰囲気に変化をつけるのも見どころ。
「彦市ばなし」は、ほら吹きの彦市が主役。天狗の子から隠れみのをだまし取り、かっぱを釣るとうそをつき、殿様からは天狗の面と鯨肉をせしめる。そこへ怒った天狗の子が現れて…。彦市は逸平、天狗の子は茂、殿様は宗彦が演じる。
最初の演目「釣針」は西宮が舞台。妻のいない主人と太郎冠者が、望みのものを釣れるさおを授けられる。主人は多くの女を釣り1人を妻に、太郎冠者は残った女から自分の妻を選ぼうとする。太郎冠者を千五郎、主人を千之丞が務める。女役は千五郎、逸平、茂の子らで、小学生から高校生までの5人。千之丞は「歌舞伎の大きな舞台を生かし、大人数で、にぎやかな話を入れた」。
あと1本は、大名が女の涙にだまされそうになる「墨塗」。午後5時半開演。4500円~8500円。チケットホン松竹(午前10時~午後5時)TEL0570・000・489
(金井恒幸)