高齢者へ不適切ケア 特別養護老人ホームを1年業務停止 神戸市

2021/01/12 15:21

神戸市役所=神戸市中央区

 神戸市は12日、高齢者への不適切なケアが相次いで発覚した特別養護老人ホーム「きしろ荘」を1年間の業務停止とし、特養「陽だまりの家きしろ」を半年間の新規受け入れ停止にするなどの処分を発表した。いずれも介護保険法などに基づく処分。2011年以降、社会福祉法人への業務停止処分は全国的に例がないという。 関連ニュース 尼崎で新たに28人感染 特養で新たにクラスター 新型コロナ 尼崎で新たに16人が感染、5人はクラスター発生の特養入所者 新型コロナ 尼崎で過去最多38人が感染 新型コロナ、クラスター発生の病院や特養などで

 併せて両施設を運営する同市灘区の社会福祉法人「六甲鶴寿園」(岸本圭子理事長)に対し、運営体制の刷新や市の承認を得た第三者委員会の設置などを勧告した。近く医師法違反などで刑事告発もする方針。きしろ荘の入所者30人を他施設に移すため、処分の効力発生日は4月1日とする。
 市によると、きしろ荘では18年12月から、資格のない職員が入所者8人に「胃ろう」を1679回行うなどの医療行為があった。ケアプランを未作成の上、68人が週2回以上とする入浴の基準を満たしていなかった。陽だまりの家では開設時、虚偽の職員配置書類を市に提出した。
 市は「法令違反に加え、法人運営が著しく適性を欠いており、理事長、常務理事が運営責任を果たしていなかった」と指摘。職員の給与改善などの補助金の交付決定を取り消し、約3千万円の返還も求める。市の処分を受け、岸本理事長は12日、常務理事とともに辞任する意向を明らかにした。(石沢菜々子、中部 剛)

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