上郡町議会が否決 産廃処分場建設の賛否問う住民投票条例案

2021/01/20 20:10

上郡町役場=兵庫県上郡町大持

 兵庫県上郡町などの山林で予定されている産業廃棄物最終処分場の建設計画を巡り、同町議会は20日の臨時会で、賛否を問うための住民投票条例案を賛成4、反対5で否決した。 関連ニュース 武器ではない「秘密物件」を誤って廃棄 自衛隊員を懲戒処分 印刷ミスの県税催促状206人分、駅のごみ箱に廃棄 派遣社員「気が動転し隠した」 山中にタマネギの皮4・2トン 不法投棄で青果会社役員ら逮捕

 建設予定地は隣接する同県赤穂市にもまたがり、大阪府豊能町の業者が20年間で産廃302万立方メートルを埋め立てる計画となっている。
 遠山寛町長は産廃計画に対する賛否を明言せず、反対派の町民らでつくる「上郡産廃問題対策協議会」が昨年秋、住民投票の実施を求めて署名活動を展開。有権者の53%にあたる6773筆の有効署名を集め、条例制定を遠山町長に直接請求していた。
 臨時会では、住民投票賛成派の議員が「町の将来に関わることなので、住民の意思を問うべき」と主張し、反対派の議員は「町が割れる恐れがある」「(夏に予定されている)町長選、町議選の争点が産廃一本となる」などと訴えた。
 一方、産廃計画への反対を掲げて2019年に当選した赤穂市の牟礼正稔市長は、その後も一貫して建設に反対する考えを示している。(伊藤大介、勝浦美香)

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