乳児引き離し「一時保護の決定適切」 兵庫県が明石市に回答

2021/01/23 09:45

明石市役所=明石市中崎1

 兵庫県の児童相談所(児相)が虐待を疑って一時保護した乳児が、家族と1年3カ月間引き離された問題で、県は22日、一時保護の決定などが適切だったとする21日付の回答文書を、明石市に送付したと発表した。児相の移管に伴い県が同市に引き継いだ事案で、市が昨年末、当時の対応について検証を求めていた。 関連ニュース 丹波国際映画祭 グランプリに、手話を守る闘い描いた「ヒゲの校長」 谷監督、当事者起用し表現追求 天文科学館、一日館長に小6生が挑戦 科学技術週間に合わせ明石市内の9人 三木市制70周年まで「秒読み」開始 あと70日、HPに日替わりで写真やメッセージ掲載

 事案は2018年8月、市内に住む乳児が右腕を骨折。県中央こども家庭センター(明石市)が虐待の疑いで一時保護し、乳児の施設入所を求める審判を神戸家裁明石支部に申し立てた。同市が児相開設の19年4月に引き継いだ後、同支部が申し立てを却下。同年11月、児相側の大阪高裁への即時抗告も退けられた。
 回答文書では、骨折の原因が不明だったことや複数の医師の判断を受けたことを挙げて妥当性を示し、審判の申し立ては第三者組織の承認を得ていると強調した。県は、県児童虐待防止委員会にこの判断について助言を仰ぎ、今後の在り方を検討するという。
 会見で担当者は「こういう(長期間離れ離れになる)結果になったことは、申し訳ないと感じている」と話した。(藤井伸哉)

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