神戸・外壁タイルはく落訴訟が和解 施工側、1億1540万円支払い
2021/01/27 06:30
タイルのはく落や浮きが起きた「アパタワーズ神戸三宮」=2017年12月、神戸市中央区磯辺通4
神戸・三宮の高層マンション「アパタワーズ神戸三宮」で発生した外壁タイルはく落などを巡り、住民らが施工側のアパホーム(金沢市)などに約2億4千万円の損害賠償を求めた訴訟で、施工側2社が約1億1540万円を支払うことで和解したことが分かった。13日付。
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マンションでは完成から約9年半後の2015年3月、14階からタイル(幅約1・5メートル)が落下した。その後の調査で、はく落やはがれやすい「浮き」の状態が建物全体で14・86%、最も割合の高い建物南側で35・75%を占めると判明。住民らでつくる管理組合は借金などして外壁を修繕した。
住民らは17年12月、大阪地裁に提訴。住民側代理人の箭本(やもと)賢司弁護士によると、裁判で施工側は、工事を担った大木建設(東京都)がタイルにモルタルを塗り、貼り付けたと説明。製品の使用説明書に沿うと、貼り付け先のコンクリートにもモルタルを塗ってこすりつける必要があるといい、「最終的には裁判所も『はく落が起きないように十分な注意を怠った』とした」と話す。
調停書では、大木建設に1億1千万円、施主のアパホームに約540万円の支払い義務を認めた。住民女性(69)は「謝罪の言葉がないのは残念だが、施工時の問題という主張が認められてよかった」と話した。
アパグループは「和解協議に応じて解決した。具体的な内容を明らかにするのは差し控えたい」とした。