囲碁の第46期天元戦(神戸新聞主催)を制した一力遼天元(23)=碁聖=の就位式が19日、東京都千代田区の日本棋院で行われた。一力天元は五番勝負で、井山裕太前天元(31)を3勝2敗で下してタイトルを奪取。3度目の挑戦で初の天元位を獲得した。
日本棋院理事長の小林覚九段から允許状(いんきょじょう)を受け取った一力天元は「難しい碁が多かったが、第4局、第5局で自分の力を出すことができた」とシリーズを振り返った。
今年が東日本大震災10年の節目となることを受け、「自分が活躍することで少しでも(明るい)ニュースになればうれしい」と喜びの言葉。国内外の棋戦で活躍し、故郷・仙台市など東北を元気づけることを誓った。
一力天元には賞金のほか、陶芸家で人間国宝の加藤孝造さん=岐阜県多治見市=作の「志野花入」が記念品として贈られた。就位式では例年祝賀会もあわせて行われるが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け允許状を授与する就位式のみが行われた。
