基幹病院、コロナ以外の診療に影 救急受け入れや手術縮小 兵庫
2021/02/01 07:00
深夜の臨時病棟で重症患者のケアに当たる職員=2020年12月、市立医療センター中央市民病院(画像の一部を加工しています)
兵庫県内で新型コロナウイルス重症患者を主に受け入れる基幹病院がいずれもほぼ満床状態であることは、コロナ以外の診療にも大きな影を落としている。集中治療室などの設備や看護師などの人的資源を、重症者をはじめとしたコロナ患者対応に回しているためだ。救急受け入れや手術を縮小している病院も多い。
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病院関係者によると、100人以上のスタッフがコロナ対応に当たっているという神戸市立医療センター中央市民病院(神戸市)は、予定入院と予定手術を各2割削減している。
救命救急センターを全て重症コロナ対応に充てている県立加古川医療センター(加古川市)は、通常の3次救急診療を停止中だ。同センターでは、一般病棟8病棟のうち4病棟を閉鎖し、感染症病棟も合わせて軽症・中等症のコロナ患者病床に回しているという。兵庫医科大病院(西宮市)も、コロナ以外の3次救急患者受け入れを大幅に削減している。
神戸大病院(神戸市)では、コロナ患者をみるため集中治療室の使用に制約が出ており、コロナ以外の一部重症者を、相対的に看護師が少ない一般病棟の個室でケアせざるを得ないという。関係者は「毎年冬には脳や心臓疾患の患者が増えて病床調整が難しいが、今年はコロナでベッドを減らしているため、対応に困っている」と話している。(霍見真一郎)
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