児童相談所が保護の子ども 第三者が面会、要望聞き取りへ
2021/02/09 18:50
明石市役所=明石市中崎1
兵庫県明石市で2018年、虐待の疑いで児童相談所に一時保護された乳児が家族と1年3カ月間引き離された問題で、有識者でつくる同市の検討会は9日、一時保護した子ども全員に面会し、要望などを聞き取る第三者委員会を新たに設ける方針を決めた。市によると、第三者が児相の判断をチェックする制度は、全国で初めてという。早ければ4月にも運用を始める。
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市によると、第三者委は市が常設する社会福祉審議会の児童福祉専門分科会内に置く。児相所長経験者や弁護士ら、児童福祉に詳しい専門家で構成する。
制度案によると、明石こどもセンター(児童相談所)に一時保護された子どもと、保護当日または翌日に委員が面談する。乳児の場合も保護されている状況を調査。2週間をめどに児相に意見を通知する。保護者も第三者委に調査を求めることができる。
市によると、従来は一時保護から裁判所の判断を仰ぐまで2カ月間、外部の意見は反映されなかった。第三者委の意見に強制力はないが、児相は保護継続や面会の可否を判断する際、可能な限り意見を尊重する。
泉房穂市長は「子どもの権利を守るため、スピーディーに対応できるような仕組みにした。子どもに寄り添った制度にしていく」としている。(吉本晃司)