復帰のクレバ号、早速お手柄 2度目の出勤日で行方不明の高齢女性を発見
2021/02/12 11:14
表彰式に出席し、賞状を受け取ったクレバ号=12日午前、神戸市中央区吾妻通5、兵庫県警葺合署(撮影・中西幸大)
兵庫県警葺合署は12日、行方不明者の早期発見に貢献したとして、県警鑑識課の警察犬「クレバ号」(2歳、雄)に署長感謝状を贈った。クレバ号は昨年10月、捜索現場の山中で一時逃走し、約3カ月間の訓練を経て今月4日に現場復帰したばかり。2度目の出勤日でのお手柄といい、同署の山本真一署長は「本当によく捜してくれた。住民の安全を守るために引き続き頑張ってほしい」と話した。
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クレバ号は体長約120センチ、体高約70センチのシェパード。昨年10月25日、兵庫県福崎町の山中で行方不明者を捜索中、鑑識課員が持っていたリード(引き綱)を振り切って失踪した。2日後、失踪地点近くの木に、リードが絡まって動けなくなった状態で見つかり、無事に保護された。
その後は約3カ月間、神戸市須磨区の訓練所で再訓練を受け、他の警察犬の出動現場にも同行するなどしていた。
県警によると、クレバ号はデビューから1年足らずで行方不明者を4回発見するなど、もともと実績のある警察犬。保護後、県警に「無事に見つかってよかった」「これからも警察犬として活躍することを応援しています」など、激励のメールや電話が全国から約90件あり、再びの活躍が期待されていた。
葺合署によると、2月7日午後2時半ごろ、同市中央区内の80代女性の行方が分からないと家族から通報があった。署の要請を受け、同4時35分に捜索を開始した。
クレバ号は女性の枕のにおいを頼りに、道路に鼻をつけて行方を捜索。約2キロの地点で、空気中のにおいを嗅ぐしぐさに変わり、その先を歩いていた女性のもとに駆け寄ったという。
12日午前にあった感謝状の贈呈式には大勢の報道関係者が集まり、会場の署長室での「3密」を避けるため、急きょ2度に分けて式を開いた。クレバ号はカメラの多さにも圧倒されず、あくびをするなど余裕な表情。副賞の骨ガムにくぎ付けになるかわいらしい一面も見せていた。(谷川直生)