宿泊施設への医師派遣でコロナ対応 県が現状説明

2021/02/18 21:15

防護服を着て準備する医師ら=西宮市甲子園高潮町(兵庫県提供)

 兵庫県は18日、新型コロナウイルス患者を受け入れている宿泊施設に医師を派遣する独自の取り組みについて現状を説明した。全国でも珍しい試みで、開始から20日間ほどで容体悪化の兆候があった約20人を医療機関に搬送できたという。 関連ニュース 尼崎で5人、西宮で3人、新型コロナに感染 尼崎、西宮で新型コロナ3人感染 兵庫県、新たに41人感染 4日ぶり40人台に増加 新型コロナ


 派遣はホテルヒューイット甲子園西館(西宮市)で1月から始めた。県によると、軽症者らが対象の宿泊施設は県内に8カ所計1130室あり、原則的に複数の看護師が常駐している。
 しかし、医療の逼迫で従来よりややリスクの高い患者も受け入れたため、同ホテルで医師を毎日派遣する運用を開始。看護師が患者の様子を確認する朝夕の2回、各2時間前後、医師1人が滞在し、異変があれば対応している。
 2月初旬までに同ホテルの療養患者約300人のうち20人ほどが医療機関に搬送され、入院した。その多くは、血中酸素濃度が中等症以上の基準に下がっていた。医師らが迅速に応急処置をしたケースもあった。
 派遣には、県災害医療センター(神戸市中央区)や県立西宮病院(西宮市)など5病院が協力している。
 県災害医療センター救急部の桑原正篤副部長は「患者の状況を伝えるなど、各方面への調整業務が多かった。適切に連携し、安全な医療につなげられれば」と語った。今後、県は効果を検証し、派遣の継続を検討する。(井川朋宏)

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