JR元町・人身事故 ホームドアあれば防げた可能性
2021/02/27 06:10
安部誠治・関西大社会安全学部教授
■鉄道事故に詳しい安部誠治・関西大社会安全学部教授(交通政策論)の話
関連ニュース
尼崎JR脱線事故20年 「事故車両公開は意義がある。将来にわたっての課題」長谷川社長一問一答
JR西の社員、7割が尼崎脱線後の入社 長谷川社長「遺族の話を聞き、風化防ぎたい」
尼崎脱線20年、「痛みの痕」消えぬ背中 先頭車両に乗車し背骨骨折、毎日貼る湿布
電車のフロントガラスは簡単には破れないように強度が計算されている。フロントガラスだけでなく、運転室後方のガラスまで突き破ってしまうというのは非常に珍しい事故だ。これまでも投身自殺でフロントガラスが割れることはあったが、客室まで入って乗客が負傷するという事例は聞いたことがない。
時速約100キロというのは、駅の通過で少しスピードを落としていたのだろうが、なぜ乗客が巻き込まれる事故になったのか。JR西日本は検証をするべきだ。
ホームドアは転落防止目的に設置されているが、物理的に乗り越えなければならないので心理的に自殺を思いとどまらせる効果がある。駅ではポスターで啓発したり、心が落ち着くとされる青色の発光ダイオード(LED)を使ったりして、自殺抑止の取り組みをしている。計画的にホームドアの設置を進めることも抑止につながるだろう。