災害現場を動画で確認 兵庫県と市町共有、初期対応に活用

2021/02/27 06:30

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 兵庫県は2021年度、災害発生時の初期対応を強化するため、現場の映像や画像を県と市町が共有できるシステムを導入する。消防団員らが撮影した動画や写真を速やかに把握。被害が大きな現場に人員や資機材を迅速かつ集中して投入することにつなげる。 関連ニュース 地震発生、舞台は特養- 避難所運営をゲームで学ぶ 「想定外」の事態続々、職員ら緊迫 新温泉 阪神・淡路大震災から生まれた創造的復興 災害甚大化に備え訴え「ひょうご安全の日宣言」 県など 【能登半島の観光復興】個別の取り組みに限界 県は「防災教育」前面

 災害発生直後は、規模が甚大であるほど自治体や消防への通報が増え、緊急性の判断が難しくなる場合がある。そこで、県内の消防団員(約4万1千人)らがスマートフォンや小型無人機ドローンなどで撮影した映像を専用システムに投稿。位置情報を基に動画などを地図上に反映し、県対策本部や各消防機関で状況を確認する。
 動画は拡大することもでき、重点的な派遣や自衛隊の出動要請など初期対応の判断に生かす。住民への避難情報提供にも役立てる。
 別のシステムでは、フェイスブックやインスタグラムなど会員制交流サイト(SNS)から「火災」「土砂崩れ」などの言葉を拾い出し、災害現場の状況を確認。これまでの情報収集はツイッターだけだったが、SNSに拡大して効率的な情報収集を目指す。
 また、被災地に赴く災害ボランティアには、新型コロナウイルス感染の有無を調べるPCR検査費の助成を拡大し、実質無料で受けられるようにする。
 県は昨年10月、被災者、ボランティア双方に安心してもらうため、全国初の取り組みとして助成制度を創設。県が適用を決めた大災害の被災地にボランティアのグループが赴く際、検査に必要な試薬代4千円のうち2千円の補助を始めた。
 21年度以降は補助額を4千円に増額して無償化。県内を拠点とする5人以上のグループが被災地で活動した場合に対象となる。
(藤井伸哉)

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