先週末、淡路市岩屋の観光施設に島内のキッチンカー6台が集まった。ピザ、ピロシキ、焼きあなご、入れたてのコーヒーなどに近隣住民らが列を作り、予定より1時間も早く完売した。
企画したのは昨年秋から窯付きキッチンカーを駆使し、手作りピザを売る石原諭(さとる)さん(36)。「キッチンカーはテークアウト方式で小回りが利く。コロナで外出自粛が続く中で有効な手段だと思う」という。
新型コロナウイルス禍の前からロシア家庭料理のキッチンカーで島内を巡っている太田直也さん(49)、イリーナさん(38)夫妻も証言する。「お客さんの楽しそうな顔を見ていると、キッチンカーをやってて良かったと心から感じた」
阪神・淡路大震災のとき、避難所でボランティアが炊き出しでふるまう豚汁や雑炊がどれほど被災者の心を温めたか。その風景にも似る。石原さんたちは、13、14日にも南あわじ市の福良港にキッチンカーを8台出店(午前11時~午後3時)する。(三津山朋彦)
◆
兵庫県内で新型コロナ感染者が初めて確認されてから、3月1日で1年を迎える。日常に浸透した「新しい生活様式」の現場にレンズを向けた。
=「新型コロナ1年」シリーズはおわり=
【特集】目で見る兵庫県内の感染状況
【バックナンバー】
