利用者の女子中学生に暴行 放課後デイ施設の元指導員に罰金求刑
2021/03/01 13:07
神戸地裁=神戸市中央区橘通2
神戸市北区の放課後等デイサービス施設「HOALOHA(ホアロハ)」で、知的障害のある利用者の女子中学生を蹴ったなどとして、暴行罪に問われた同施設の元児童指導員の男(52)=同市兵庫区=の論告求刑公判が1日、神戸地裁(森里紀之裁判官)であり、検察側は罰金20万円を求刑した。弁護側は無罪判決を求め、結審した。判決は3月15日。
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検察側は、男が「女子生徒がいすに座ることに抵抗し、立腹して蹴った。必要性のない有形力の行使にほかならない」と指摘。弁護側は最終弁論で「いすを蹴ろうとした女子生徒をけがから守るため足を払っただけ。刑事罰の対象になる行為ではない」と主張した。
論告に先立ち意見陳述があり、女子生徒の両親は「暴力をふるう前にできることはいくらでもあった。男に自覚も責任も全くない。施設に娘を預けたことを後悔している」と非難。「娘にも幸せになる権利がある」「(今の社会は障害のある人が)普通に尊厳を持って生きることが難しい」などと訴えた。
男は「暴力をふるった覚えはない。これでなぜこんな目に遭うのか分からない」と述べた。起訴状によると、男は5月14日午後4時すぎ、同施設で重度の障害がある女子生徒の足を蹴るなどしたとされる。
同施設を巡っては、同じ女子生徒を平手打ちしたとして元施設長の男(45)も暴行罪で起訴され、昨年12月、神戸地裁で懲役1年(執行猶予3年)の有罪判決を受けた。