神鋼の石炭火力発電訴訟、住民側が敗訴 環境アセスの違法性認めず

2021/03/15 16:30

神戸製鋼所の石炭火力発電所増設を巡る訴訟で、大阪地裁の判決後に抗議の意思を表明する原告住民と弁護士たち=15日午後4時3分、大阪府大阪市北区西天満2

 神戸製鋼所が神戸市灘区で進める石炭火力発電所の増設を巡り、周辺住民ら12人が、大気汚染への配慮を欠いた同社の環境影響評価(環境アセスメント)を認めた国の「確定通知」は違法として、通知の取り消しを求めた行政訴訟の判決で、大阪地裁は15日、訴えを退けた。 関連ニュース 「原子力村の常識は一般と乖離している」関電会長、社長辞任で避難女性 「今のままでは日本だけが置き去りに」現状と課題 神鋼火力発電訴訟、15日判決 環境評価の妥当性焦点に

 争点となった確定通知は、環境アセスの最終段階で事業者が提出する「環境影響評価書」に対して経済産業相が出す。神鋼には2018年5月、増設計画の内容に変更の必要はないとの判断を示した。住民側は、神鋼のアセスはCO2や微小粒子状物質「PM2・5」の排出について必要な検討がないと指摘。アセスと通知の違法性を主張していた。
 新たな発電所は18年10月に着工し、神鋼は2021~22年度の稼働を目指している。増設を巡っては、周辺住民ら40人が計画の差し止めを求めた訴訟も神戸地裁で審理中。

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ