「市議の圧力で一線超えた」姫路市副市長が退任表明
2021/03/18 21:30
退任を表明した姫路市の高馬豊勝副市長(姫路市提供)
兵庫県姫路市の高馬豊勝副市長(59)が18日、市議会常任委員会で、任期途中で退任する意向を表明した。市議の要望を受け、特定地域での事業に関連して予算流用など不透明な対応を担当職員に指示した責任を取った。関係者によると、退任は3月末とみられる。
関連ニュース
市道工事を後回し、浮いた事業費を流用 姫路市副市長が陳謝「私の指示」
姫路市の副市長が退任へ 任期途中の3月末
W不倫の2職員、庁舎内で勤務中みだらな行為
予算流用の指示は、白浜小学校(同市白浜町)への相撲場整備を巡って行われた。相撲場はこの3月、東京・両国国技館を模した特殊な造りで完成。費用は見積もりの2・5倍に当たる約6200万円に膨らんだが、高馬副市長が予算の流用で対応するよう財政局へ指示を出していた。
同じ白浜地域への移転が計画されている市中央卸売市場に絡む事業でも不透明な対応があった。新設先でのアクセス道路整備を巡り、移転補償費が想定を上回ったとして、市は市道26路線の工事を延期。他の財源も含め約4億円を捻出し、高馬副市長が穴埋めなどに使うよう命じた。
常任委で相撲場に関して経緯を問われた高馬副市長は、白浜地域を地盤とする松岡広幸市議(54)から強い要望があったとし「圧力を感じる場面が多く、機嫌を損なうと市場事業に影響が出る印象があった」と釈明。「(予算流用の指示などを)副市長の立場で行った責任は重大」と述べ、陳謝した。
高馬副市長は1985年入庁。職員部長、産業局長、市長公室長などを経て2019年に副市長に就いた。任期満了は23年6月末だった。市は昨年11月、松岡市議による市職員への威圧的行為2件を「不当要求」と認定していた。(田中宏樹)