高速道路会社の社員自殺 上司再不起訴に遺族がコメント
2021/03/18 18:40
神戸地裁=神戸市中央区橘通2
西日本高速道路会社(大阪市)の男性社員=当時(34)=が2015年に自殺したのを巡り、業務上過失致死容疑で告訴された当時の上司ら8人について、神戸地検が検察審査会の「不起訴不当」議決後の再捜査でも不起訴としたのを受け、18日、男性の母親がコメントを出した。
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主な内容は次の通り。
「神戸地検は、検察審査会の『不起訴不当』の議決を受けて再捜査した結果、この度も不起訴処分にしました。過重労働とうつ病発症の因果関係、使用管理者の自殺予見可能性、いずれの立証にも証拠が不十分であると、前回と同様の理由が示されました。
審査会は議決書で『業務上安全配慮義務を負ういずれの者も、業務上過失致死罪の責を負うことは明らかである』としています。その議決を受け止め、処分が社会常識から逸脱していないか新たな視点で再捜査する必要があるはずです。
にもかかわらず、前回と同一の判断で不起訴にしたことに怒りさえ覚えます。
私はあらん限りの力で証拠を収集し、審査会はそれを認めたのです。これ以上の証拠をどうやって示せというのでしょう。司法が勤労者の『よく働き、よく生きたい』というまっとうな願いの前に立ちふさがる鉄壁のようにさえ感じました。過労死、過労自殺をなくすため、司法の在り方が変わってほしいと強く願います」