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「日々置き去りにされる『どっか、ふに落ちないこと』を忘れてはいけない」と話す原義和監督=大阪市内
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「日々置き去りにされる『どっか、ふに落ちないこと』を忘れてはいけない」と話す原義和監督=大阪市内
私宅監置現場写真(1960年代)(c)2020原義和
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私宅監置現場写真(1960年代)(c)2020原義和

 「私宅監置」。聞き慣れない4文字は悲しい歴史を物語る。かつて精神障害者を自宅の敷地に建てた小屋などで家族が合法的に隔離していた時代があった。米軍占領下で本土より長く沖縄に残った闇の歴史に、映像ジャーナリストが光を当てたドキュメンタリー映画「夜明け前のうた-消された沖縄の障害者」が17日から神戸市兵庫区の神戸アートビレッジセンターで上映される。初の長編映画製作となった原義和監督に話を聞いた。(鈴木久仁子)

 「きっかけは写真との出会い」から。私宅監置は国内では1950年に廃止された法律だが、沖縄では72年の本土復帰まで続き、東京から来た精神科医が記録写真を残した。レンズは小屋の格子の奥から鋭い眼光を向ける姿を捉え「射抜かれ、どんな人だったのか会いたくなった」。写真とわずかなメモを頼りに、声なき声をたどる旅を収めたドキュメンタリー映画に結実させた。

 これまでフリーのテレビディレクターとして数々の社会的な問題を扱い、受賞も重ねたが「実際に小屋を再現し、カメラワークも工夫。長年閉じ込められて、孤独と絶望の中で社会から置き去りにされてきた存在を感じられるよう、映画で表現した」。

 「医者や学者じゃないから、その人となりに触れたかった」。遺族を訪ね、地元の人に話を聞く。「そうか、この女性は歌をうたっていたのかって。小屋から外を見て、歌をね。そんな証言に出会うと感動して、まるで恋心を抱くように訪ねあるいた」という。

 映像は一人一人の生きざまを慈しみ、実名を呼ぶ。「名前を隠せば、豊かな人間性を奪い、否定した歴史を上塗りすることになるでしょう。恥と葬ってはいけない。ここから向き合わなければ。今も形を変えて、隔離の考えは続いています。多くの人に見てほしい」

 関西での上映日程は9日から京都シネマ、10日から大阪のシネ・ヌーヴォ、17日から30日まで神戸アートビレッジセンター(TEL078・512・5500)で。

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