兵庫県立がんセンター、建て替えで360床に縮小 開院は1年遅れ25年度に

2021/04/01 10:00

「建替整備基本計画」が決まった兵庫県立がんセンター=明石市北王子町

 兵庫県は、老朽化している県立がんセンター(明石市)の「建替整備基本計画」を策定した。埋蔵文化財調査などで設計開始が1年遅れたことを受け、計画案で2024年度を目標としていた開院時期を25年度に変更。病床数は入院日数の減少や自宅療養による通院患者の増加が見込まれるため、現在の400床から360床に縮小し、外来に力を向ける。(藤井伸哉) 関連ニュース 乳がんで死去の小林麻央さん ブログに“故郷”兵庫への思い 国産初の手術支援ロボ、初手術を成功 前立腺がんを摘出 痛みなく短時間で結果判明…涙で乳がん検査 神戸大で研究、22年度の実用化へ資金公募

 同センターが明石城跡に近く、埋蔵文化財の発見による計画変更を避けるために事前の試掘調査を実施。さらに、合併症患者について近隣医療機関との連携強化を検討した結果、計画策定が1年間遅れた。
 県によると、同センターのがん登録者数は県内3位で、西日本8位。19年度の入院患者は延べ約10万人で、08年度の約12万9千人に比べて22・5%減ったが、外来患者数は延べ約16万1千人で8・8%増えた。このような傾向に対応するため、病床を減らし、外来部門を充実させる方針を決めた。診療科目は現状の23科から変更しない。
 一方、緩和ケア病床は将来的な需要が見込まれることなどから、4床から15床に増やす。また、計画には、新型コロナウイルスなどの感染症に対応するため、院内へのウイルス持ち込みを防ぐ水際対策強化や、感染症に対応する個室の整備も盛り込んだ。
 計画によると、新病院は現在の敷地内に8階建てで新築。1~4階を外来や手術室などとし、5~8階が病棟になる。診療体制は、内科や外科などが連携して高度な治療に当たれるよう臓器別の「消化器センター」や、治療法別の「内視鏡センター」などの設置を検討している。

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ