「まん延防止」の日常始まる きょうから兵庫など3府県

2021/04/05 12:55

マスク会食の呼び掛けを表示した紙製のマスクケース。飲食店への配送準備が慌ただしい=神戸市中央区元町通3、兵庫県飲食業生活衛生同業組合

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ「まん延防止等重点措置」が5日、宮城、大阪、兵庫3府県の6市で始まった。飲食の場を通じた感染拡大の防止策が軸。居酒屋では店でのマスク着用を呼び掛け「客も店も意識を持って」と感染対策に臨む。一方「個人の努力頼り」と冷ややかな声もあり、「コロナ疲れ」の中どこまで実効性があるのか、不安をはらんだスタートとなった。 関連ニュース 尼崎市で34人感染、新規クラスターも 新型コロナ 西宮市で17人感染、1人死亡 新型コロナ 新型コロナ、兵庫で206人感染 各地でクラスター

 兵庫県は5日、「まん延防止等重点措置」に関するコールセンターを県庁内に立ち上げ、早速、問い合わせが相次いだ。店舗の感染防止対策の状況を確認するために行う見回り調査の準備にも追われ、商業施設なども対応を始めた。
 県のコールセンターは午前9時から、職員6人が対応。「アクリル板の設置は必ず必要か」「徹底した感染防止対策を具体的に知りたい」などと尋ねる電話がひっきりなしにかかった。
 井戸敏三知事は2日、措置の対象となる4市の飲食店約1万6千店舗に見回り調査の実施を表明。県は調査リスト作成や委託業者との調整に慌ただしく、担当者は「5日から見回りができるかは未定」と話した。
 一方、尼崎市は5日午後7時半から職員ら約10人が阪神尼崎駅周辺の繁華街で感染防止の啓発パトロールをする。同8時以降の営業を確認した店舗に営業時間短縮への協力を求める。
 県飲食業生活衛生同業組合(神戸市中央区)は飲食の際にマスクを入れるケース14万枚を用意し、県内1250店への発送を急ぐ。
 神戸・三宮の複合商業施設「ミント神戸」では飲食店を同8時閉店に変更。映画館は売店を時短営業するが、上映は感染対策を徹底した上で、午後8時以降も通常通り続ける。
 神戸市兵庫区の美容師(20)は「勤務先の営業はもともと午後8時までで措置の影響は小さいが、再び緊急事態宣言が出ないよう人混みを避けたい」と話した。(金 旻革、小林良多、小谷千穂)

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