ワクチン接種開始、初日はわずか184人 兵庫、対象者は各市町でまちまち
2021/04/12 20:00
ワクチン接種を受ける高齢者=12日午前、伊丹市中央4(撮影・秋山亮太)
兵庫県内でも高齢者約168万人を対象にした新型コロナウイルスワクチンの接種が12日、始まった。初日の接種は伊丹市と神戸市のわずか計184人(高齢者施設職員含む)。4月中に県内全市町にワクチンが届く予定だが、供給量はまだ少なく、接種の進め方は各市町で方針が分かれている。
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伊丹市では、市内の高齢者施設2カ所の入所者や職員ら134人に接種。特別養護老人ホーム「オアシス千歳」(同市中央4)では、多胡基医師らが入所者の部屋を訪れ、問診後に上腕部に注射した。入所者の女性(95)は「痛くはなかった」と話した。
神戸市でも高齢者施設2カ所の入所者ら計450人を対象に接種が始まり、この日は2施設で50人に接種したという。
県内には4月末までに全市町に1箱以上のワクチンが配布される予定で、他市町でも順次接種が始まる。ただ、当初の供給量は限られている上、5月以降の供給量はいまだにはっきりしない。そのため、神戸、伊丹と同様、23市町が高齢者施設や病院の高齢者から接種を始める方針。施設や病院でのクラスター(感染者集団)抑制を狙う。
一方、16市町は最初のワクチンを一般高齢者への集団接種や個別接種に使用する見込み。17日からの集団接種を予定する高砂市やたつの市は「80歳以上」と年齢条件を設けた。たつの市は「国は最初のワクチンを試行と位置付けており、システムや運用を確認できるように取り組む」とする。
ただ、受け付けを始めた市には、少ない予約枠に申し込みが殺到している状況で、「見切り発車すると市民に迷惑がかかる。安定供給の見通しが立たなければ、集団接種の日程は決められない」といった戸惑いの声も上がる。(高田康夫、久保田麻依子)
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