【動画】うちわの配布撤回で井戸知事“反省”
2021/04/14 21:25
飲食店へのうちわ配布中止について説明する井戸敏三知事=14日夕、兵庫県庁(撮影・中西幸大)
兵庫県は14日、新型コロナウイルス対策として、うちわ計32万本を神戸市など県内4市の飲食店に配る方針を撤回した。井戸敏三知事が「扇子・うちわ会食」として提唱したが、神戸市や県民らから効果を疑問視する声が続出し、わずか5日で取り下げた。井戸知事は「うちわで感染が防げるとは言っていない」と釈明し、若者らに配る啓発用に目的を変更する考えを示した。
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「うちわ会食」は口元をふさぐことで飛沫の拡散を防いでもらおうと、まん延防止等重点措置が適用された神戸、尼崎、西宮、芦屋市の飲食店約1万6千店に20本ずつ、計32万本を配る計画だった。
ところが神戸市は「予防効果の検証が不十分。かえって感染の危険性を高める可能性がある」として、飲食店にうちわを配布しないよう13日に申し入れ。県のサイトには100件以上の批判的な意見が寄せられた。
井戸知事は県内の新規感染者が500人を超え、2日連続で過去最多になったことなどを受け、記者団の取材に応じた。うちわは飲食店で使い回されることがあるとの懸念には「もっとも(な指摘)だ。飲食店に配るのは行き過ぎだった」と“反省”。大阪府の吉村洋文知事らが呼び掛けた「マスク会食」や、会話を控える「黙食」も守られていない実情があるとし「うちわで防ぐような対応があってもいいという提案だった」と強調した。
だが、うちわを使った会食を勧めていると誤解されかねないとして、中止を決断したという。
(藤井伸哉、谷川直生)