コウノトリ放鳥、演劇のまち… 20年の市政運営終え、中貝市長が退任式 豊岡市

2021/04/30 21:33

職員や市民らに見送られて市役所を後にする中貝宗治市長=豊岡市役所

 兵庫県豊岡市の中貝宗治市長(66)が30日、任期満了を迎え、退任式に臨んだ。合併前の旧豊岡市時代から通算20年間市政を率いた中貝市長をねぎらおうと、雨にもかかわらず、市職員や市民約350人が市役所前の広場に集まった。 関連ニュース 新豊岡市長に関貫氏「演劇のまちなんかいらない」 現職を批判 豊岡市長選 現職中貝氏が苦杯 コウノトリ野生復帰などに奔走、市民には届かず 近畿「住みたい田舎ランキング」3年連続トップ3独占 兵庫の但馬地域

 中貝市長は2001年、合併前の旧豊岡市長に就任。1市5町の合併後も4期連続で務めた。
 04年の台風23号で大水害が発生した日から避難所利用者がいなくなるまで約2カ月間着け続けたというネクタイを着用して登場。当時と新型コロナウイルス感染症の影響が続く現状とを重ね、「新しい市長のもとで、職員と市民のみなさんが力を合わせれば、この危機を克服できる」と呼び掛けた。
 最後に「市長という肩書を外し、市役所という建物から出て、まちの人々の中へと帰っていくだけ。『民』の立場からまちをしっかりと支え、いつの日か必ず市役所のパートナーとなるよう、残された人生を全力でがんばってまいりたい」と語った。
 職員から花束や感謝の言葉を受け取り、拍手の中、市役所を後にした。(石川 翠)

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ