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「どうやって登ろうか?」。ロープを使って工夫しながら木に登る子どもたち=神戸市西区押部谷町木幡
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「どうやって登ろうか?」。ロープを使って工夫しながら木に登る子どもたち=神戸市西区押部谷町木幡
神戸新聞NEXT
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 既存の公教育の枠組みにとらわれない教育理念で子どもの学びを支える「オルタナティブスクール(もう一つの学校)」。籍を置く学校の校長が認めれば出席扱いとなり、子どもたちの新たな居場所として注目されている。時間割を子どもが自ら決め、馬の世話をするなど各スクールが独自のプログラムを用意。重視しているのは子どもの主体的な学習だ。神戸市内のオルタナティブスクールを訪ねた。(貝原加奈)

 「どうしてスカートをはかなければいけないの?」「給食にするか、お弁当にするかを何で選べないの?」。小学校へ入学してすぐ、そんな疑問を抱いたという加古川市の女児(8)。母親によると、女児は「学校に行っていたら私が私じゃなくなる」と違和感を抱き始め、2学期から学校を休むようになったという。

 2年生になり女児は神戸市西区にあるオルタナティブスクール「さとのわ」に通い始めた。母親が会員制交流サイト(SNS)上でスクールの存在を知り、運営方針に共感したことがきっかけだった。

 「さとのわ」は2020年4月、畑や田んぼのある空き家を活用して開校。小中学生8人が週2日通う。オルタナティブスクールは主にNPO法人や社団法人、個人などが運営。スタッフの教員免許などは不要だ。「さとのわ」では子どもの保護者や地域住民らがスタッフとしてサポートする。

 時間割は、飼育する鳥の世話、個別学習、自分で学びを計画する「プロジェクト学習」など。子どもたちは多くの時間を自由に過ごす。遠足も行き先や行程を全て子どもたちが決める。「大人はきっかけを用意するだけ」とスタッフの佐藤麻由美さん(44)。これが「さとのわ」スタイルだ。

 女児の母親は「『ありのままの自分でいていい』と娘に伝えることができる」と喜ぶ。在籍する学校とも連携しており、「さとのわ」に通った日は小学校に出席した扱いになる。運営するNPO法人「オルタナティブビレッジ」(神戸市北区)の代表理事、山口寛人さん(41)は「子どもたちの個性に着目した居場所。教育の選択肢の一つとして、もっと認知を広げたい」と力を込める。

 教育方法はさまざまだ。神戸市北区で児童発達支援と放課後等デイサービスを行う「さとうま」は19年、馬と暮らす中で生きる力を育むオルタナティブスクールを開校。世話や畑仕事など、馬の命を守るための全ての活動を子どもたちが担う。「あくまで先生は馬」と三嶋鋳二(しゅうじ)牧場長(55)は強調する。「お互いの学習の邪魔をしないことが唯一のルール」という。

 神戸市によると、フリースクールやオルタナティブスクールに通う子どものうち市内の在籍校での出席認定が19年度は107件に上った。兵庫県教育委員会も「子どもの社会的自立を目指して、公私の学校で連携していきたい」とする。

 ただ、各スクールでは運営資金確保の難しさが課題となっており、「さとのわ」は4月29日から、クラウドファンディングサイト「キャンプファイヤー」で、運営費に充てるための資金を募集している。

     ◇     ◇

■不登校の児童生徒、10年前の1・5倍

 文部科学省の調査によると、2019年度における小中学校の不登校(連続もしくは断続して30日以上学校を欠席)の児童生徒数は18万1272人で、10年前の1・48倍だった。

 兵庫県内でも年々増加傾向にあり、19年度の公立小中高校における不登校の児童生徒数は9581人。全児童生徒数の約2%にあたる。18年度と比較すると、小学生は1・25倍に上る。

 兵庫県教育委員会は昨年3月、「不登校児童生徒を支援する民間施設に関するガイドライン」を策定。官民で連携し、子どもの教育機会の確保を目指す。

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