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飲食店が軒並み休業しひっそりとした夜の繁華街。事業者にとっても働く人にとっても、雇用調整助成金が“命綱”となっている=7日夜、神戸市中央区(撮影・吉田敦史)
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飲食店が軒並み休業しひっそりとした夜の繁華街。事業者にとっても働く人にとっても、雇用調整助成金が“命綱”となっている=7日夜、神戸市中央区(撮影・吉田敦史)
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 新型コロナウイルス対策として、政府が実施する雇用調整助成金(雇調金)の特例措置が5月から、上限額や助成率が引き下げられた。コロナ禍にあって、事業主、労働者の“命綱”といえる雇調金。兵庫県など緊急事態宣言の対象地域では、休業要請に応じた事業所などに限って特例措置が6月末まで延長されたものの、7月からの方針は示されていない。コロナの収束が見通せない中、兵庫県内の事業主、労働者らから不安の声が上がる。(小谷千穂)

 雇調金は、企業が従業員に支払った休業手当を国が補填する制度。コロナの感染拡大で特例が設けられ、3月末までに全国で約296万7千件(約3兆1600億円)、兵庫県内も11万6千件以上に支給された。

 特例は助成金の上限額や助成率を引き上げ、申請手続きを簡素化した。解雇をしない中小企業には休業手当を国が全額補填。4月末までだったが、5、6月は宣言地域で休業要請などに応じた事業所、売り上げなどが著しく悪化した事業所に限り継続される。

     ◇

 「これからは、休業手当に伴う会社負担が生じる。企業存続を考えると助成金は使わず、解雇もやむを得なくなるかもしれない」。県内で製作所を営む男性(49)が胸の内を明かした。

 昨夏、大手企業からの注文が激減し、出勤者に半日で帰ってもらうなどした。今年1月の感染再拡大の影響で3月には受注がゼロになる取引先も相次いだ。売り上げは前年の半分。雇調金で従業員約10人の雇用を維持するが、解雇を避けるため新規の取引先を探す。

 労働者側の不安はさらに大きい。神戸・三宮にある居酒屋チェーンで働く男性(41)は、昨年4月の緊急事態宣言で丸1カ月休みになり、休業手当を生活費に充てた。近くにある姉妹店は1年以上の間、臨時休業を続ける。

 3度目の緊急事態宣言が出た今年4月下旬、従業員の休みは週2日から3日になり、その分の収入は休業手当で補われている。宣言期間は5月以降も同じ待遇だが、「宣言解除後、会社がいつまで休業手当を払って雇い続けてくれるか…。先のことは考えられない」と表情を曇らせる。

     ◇

 兵庫労働局によると、特例措置が始まった昨年5月、県内企業に支給した雇調金は約2千件。7~10月は月に1万件を超えた。一時減少したが、今年3月には再び1万件以上となった。

 4月23日時点で、コロナの感染拡大に関連する解雇や雇い止めは全国で累計10万2153人、兵庫は2608人と全国で8番目に多い。3月の全国の完全失業率は2・6%だった。

 同労働局の担当者は「リーマン・ショック時は雇調金の措置はなく、完全失業率は戦後最悪の5・5%(2009年7月)だった。今後、同様の状況にならないか」と危惧する。

 一方で医療や介護、建設業などは人材不足の状態が続く。担当者は「離職者は職業訓練などで再就職を支援し、事業主には助成制度で別業種に従業員を出向させられるよう後押ししたい」と話した。

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