真っ先にワクチン接種の62歳、神河町長「隠すつもりなかった」

2021/05/12 20:31

山名宗悟神河町長

 兵庫県神河町の山名宗悟町長(62)が、65歳以上の優先者でないにもかかわらず、新型コロナウイルスのワクチン接種を受けていたことが12日分かった。山名町長は神戸新聞の取材に「町が設置する神崎総合病院の開設者として、会議などで同病院を訪れる機会が多いため」と説明している。 関連ニュース 「信頼裏切り申し訳ない」真っ先に接種の神河町長が謝罪会見 「割り込みではない」と釈明 市役所本庁舎でクラスター、判然としない感染経路 市民ら「怖くて行けない」 ワクチンを誤って常温保管、960回分が使用不能に 配送業者がミス 神戸市

 町によると、前田義人副町長が4月下旬、院内での感染リスクを考慮して「町長はワクチン接種を受けなくてもよいか」と病院側に相談。町職員でもある病院事務長から「キャンセルが出たワクチンで対応できる」と返答があり、受けることを決めたという。
 神河町のワクチン接種は医療従事者や高齢者施設の入所者らから実施。それ以外の約3800人については基礎疾患のある65歳以上を優先し、5月6日から集団接種を始めた。山名町長はその初日に1回目の注射を受けた。
 神戸新聞の取材に、山名町長はいったん接種を否定した後、撤回。「病院運営に支障が出ないよう接種を受けたつもりだった。隠すつもりはなかったが、うその回答をして申し訳ない」と釈明した。2回目については「ワクチンを無駄にはできないので受ける」としている。
 山名町長は月数回、会議などで同病院を訪れるが、「役場から近い」との理由でリモート参加などの対策は取っていなかった。(吉本晃司)

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