「信頼裏切り申し訳ない」真っ先に接種の神河町長が謝罪会見 「割り込みではない」と釈明 

2021/05/13 14:35

自身のワクチン接種について謝罪する山名宗悟神河町長=兵庫県神河町役場

 新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、神河町の山名宗悟町長(62)が優先対象者でないにもかかわらず接種を受けていた問題で、山名町長は13日に会見し、「町民の信頼を裏切り申し訳ない」と謝罪した。町によると、同日午後3時までに100件以上の電話と約50件のメールが町内外から寄せられ、多くは批判的な内容という。 関連ニュース 真っ先にワクチン接種の62歳、神河町長「隠すつもりなかった」 ワクチン予約、つながらぬ電話に批判噴出 市長おわび「想定不十分だった」 ワクチンを誤って常温保管、960回分が使用不能に 配送業者がミス 神戸市

 問題を報じた本紙記事などを受け、町役場では朝から幹部が対応を協議。午前9時ごろには、町内各戸にある防災行政無線を通じ、山名町長が謝罪と経緯を説明した。
 会見の冒頭、山名町長は「町民に事前に伝えることなくワクチンを接種し、おわび申し上げる」と陳謝。一方で、神崎総合病院の開設者として毎週、同病院での会議に出席することなどを理由に「接種はリスク管理の一環だった。予約のキャンセル分を打っており、ワクチンの有効活用という国の方針にも合っている」と主張した。
 さらに「割り込みで先に打たせてほしいと言ったわけではない。病院の事務職も接種を受けており、私が関係者として接種を受けることはルール違反ではない」との認識を示した。2度目の接種は27日に受ける予定という。
 町民からは批判の声も上がった。まだ接種の予約ができていないという女性(72)は「医療関係者でもワクチンを打てていない人がいると聞く。キャンセルが出ても、譲るべき人や困っている人に回すべき」と話した。(吉本晃司)

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ