ワクチン接種「フライング予約は不公平」 開始日前に一部の診療所が受け付け 明石、西宮でも
2021/05/14 19:47
新型コロナウイルスのワクチン接種(資料写真)
65歳以上の高齢者を対象に新型コロナウイルスワクチン接種の予約が20日から始まる兵庫県明石市で、一部の診療所が独自に通院患者から予約を受け付けていることが分かった。市は「20日から始めるよう要請している」とし、市民からも「フライング行為で不公平」との声が寄せられている。
関連ニュース
「これは死ぬ」「無理、もう」30代男性が語る死の恐怖 今も後遺症 若者のコロナ重症化リスク訴え
「ワクチン打つよう強制」看護師が断ると、病院は退職届へのサイン迫る 接種巡る労働相談相次ぐ
死者98人公表できず、28人死亡のクラスター発表は3週間後 保健所業務の逼迫、深刻な実情
明石市西部の80代男性は、風邪などで受診することがある近くの診療所が「事前予約」に応じていると知人から聞き、電話で申し込んだ。1回目が6月上旬、2回目はその3週間後に決まった。さらに、診療所で日時と注意事項が書かれた「予約票」を受け取ったという。
明石市では、診療所などによる個別接種と市内6カ所での集団接種を予定。市は「(事前予約は)実質的には有効」と認めた上で「予約が殺到すると少ないスタッフの手が取られ、診察などに影響が出ることを懸念した診療所が受け付けているのでは」と推測する。
予約を受け付けているとされる市内の診療所2カ所は、いずれも取材に「対応できない」とした。こうした事前予約は西宮市でも市民から情報が寄せられている。
兵庫県ワクチン対策課は「実態を把握していないが、ルールに基づき、市民に誤解を与えないよう予約業務を進めてほしい」と注文。事前予約への指導は「各市町で判断すべき」との見解を示した。(小西隆久)