「ワクチン打つよう強制」看護師が断ると、病院は退職届へのサイン迫る 接種巡る労働相談相次ぐ

2021/05/14 20:26

ワクチンに関する労働相談が寄せられている、新型コロナウイルス感染症の特別相談窓口=神戸市中央区東川崎町1、兵庫労働局

 医療従事者を対象とした新型コロナウイルスのワクチン接種に関する労働相談が、兵庫労働局に相次いで寄せられている。接種を断った看護師が病院から退職を迫られ、同労働局が助言や指導を行うケースもあった。 関連ニュース 「これは死ぬ」「無理、もう」30代男性が語る死の恐怖 今も後遺症 若者のコロナ重症化リスク訴え 「倒産します、すいません」ぼろ泣きでLINE送り続けたアパレル経営者 ワクチン接種「フライング予約は不公平」 開始日前に一部の診療所が受け付け 明石でも

 同労働局は昨年2月からコロナの影響による特別労働相談窓口を設置。4月末時点では約6万1852件の相談が寄せられた。ワクチンに関する相談は「事業主からワクチンを打つよう強制された」など医療従事者らから1月以降に6件あった。
 同労働局によると、退職を迫られた看護師は1年ごとの有期契約。接種を断ると、契約期限を待たずに病院側が作成した自己都合退職届へのサインを促されたという。また病院は4月以降、ワクチンを接種しない職員を自宅待機させ、その間の賃金を払わないと周知していたという。
 相談を受けた同労働局は病院に対し、労働契約法に基づいて「やむを得ない事情がなければ契約期間が満了するまで解雇できない」と説明。「ワクチンを接種していない者への不利益は許されない」とする予防接種関連改正法の付帯決議も挙げて理解を求めた。
 病院側は「理解不足だった」と認めて対応を改め、看護師の雇用を継続するとした。同労働局の担当者は「ワクチン接種は自らの判断で受けるべき。職場で不利益なことがあれば相談して」と呼び掛けている。(小谷千穂)

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